北の国から20××~約束~原作/スパイラル智哉

北の国から 20×× ~約束~第2話

第2話





夢のような出張が終わり、そして僕はまた日常の生活に戻ったんだ。
時間は過ぎていく。
秋がきて冬がきて春がきて、また夏がやってきた。


『ユーちゃん、覚えていますか?あの日のこと。
1年後の今日、またこの場所で会おうと約束したことを。』


確かに「お酒の席」で軽く交わした言葉だった。
でも僕にはどうしても忘れられなかった。
あの場所に行くべきか、行かないべきか。
僕の中で迷う。非常に迷う。
でも約束は約束だ。


どんな約束でも、約束は守るためにあるんだ。


そう自分に言い聞かせた。
いいじゃないか。彼女が来なくても。
僕は僕自身の約束を果たすために、またあの土地に向かえばいい。
世の中にこんな大バカな男が1人くらい居てもいいじゃないか!
いいじゃないか。
気が付けばひとり飛行機に乗っていた。
信じられないっしょ?
生まれて初めて「ひとり」で乗った飛行機。
1泊2日の旭川の旅。ビジネスプラン。
そして空港に降り立った。
「変わらないな、1年前と」
バスに乗って旭川駅方面へ向かった。
わかる?このときの僕の気持ち。


~途中、自転車のチェーンが外れて困っている怜ちゃんに似ている女子中学生がいたが、僕はバスを降りなかった。~


そして終点旭川駅。
プシューとバスが止まる。
僕は降りて駆け出す。
気持ちが高鳴る。
ドキドキしていた。
速足になっていたはずだ。でもさすがに道は覚えていた。
そして正午。
なんとか時間には間に合った。


僕は約束のあの場所に着いた。