北の国から20××~約束~原作/スパイラル智哉

第5話




このビルはたくさんの飲み屋が入っていたが、不景気のせいか、他の店もつぶれていたりしていた。
「こうなったらヤケ酒でもかっ喰らおう!」
「BB」の隣の店だけが営業していたのでそこに入った。
それなりに客がいて、賑わっていた。
僕の席にも女の子が何人か付いた。(今更ながら、本当はこういう店は好きではないが)
安い焼酎をロックで飲み干す。
「う~まずい。」全然美味しくない。
とりあえず酔ってしまおうとガンガン飲んだ。
そのうち女の子の1人が「お客さんどっから来たの~?」
と訊いたので
「栃木県の宇都宮ってとこだよ」と答えたら
「へ~、よくわかんな~い。あ、でも日光なら知ってるよ」と答えた。
女の子同士で日光について盛り上がっていた。
僕にとってはそんなことはどーでもいい。
「でもそんなに遠いところからなんで?お仕事か何か?」と1人が訊いてきた。


~BGMは浜田省吾の「丘の上の愛」をお願いします。~
♪君がただ1人心奪われたあいつはまだ若く
夢のほかには何も持たない貧しいドラマー
だけど9月の雨の夜君は 丘の上に住む誰かの
氷のような腕に抱かれて未来を手に入れた 愛と引き換えに。


僕は酔っていたので「え?いや実は」と吐き出すように全てをゆっくり話し出したんだ。
「~てゆーわけなんだ。ヘンな奴だろ?俺」
とふざけてみたんだけど、女の子はみんな真剣な表情をしていた。
「それって凄くない?」
「私鳥肌立ってきた」
彼女たちは皆そんなことを口にしていた。
でも僕は、口ではそんなことを言っていても
心の中では
「バカな奴」
と思っているに違いないんだと感じていた。
しばらくして、僕はもう帰ると勘定を済ませ、席を立った。


そして
次の瞬間、信じられない出来事が起こった!......


第5話終わり