北の国から20××~約束~原作/スパイラル智哉

最終話




そして翌日。
僕等は1年と1日ぶりに再会を果たした。
ユーちゃんは去年より更に怖ろしいくらいかわいくなっていた。
限られた時間の中、僕等はどんなことを話したんだろう。
彼女も約束は覚えていたんだけど、まさか僕が本当に来るとは思っていなかったらしい。
確かにそうだよなぁ。


でも僕はスパイラルだから。


やがて無情にも帰りの時間が近づいてくる。
「空港まで送るね。」
空港までの長い長い一本道。
彼女が運転する車が走っていく。
カーステから曲が流れる。


MISIAの「Everything」だった。
♪すれ違う時の中で あなたにめぐり会った
 不思議ね 願った奇跡が こんなにも側にあるなんて
 逢いたい思いのまま 逢えない時間だけが 過ぎてく扉 すり抜けて
 また思い出して あの人と笑い出す あなたを
 愛しき人よ 悲しませないで 泣き疲れて 眠る夜もあるから
 過去をみないで 見つめて 私だけ
 You’re everything 
 あなたが想うより強く やさしい嘘ならいらない 欲しいのはあなた


リピートして何度も聴いた。
「いい曲だね。誰が歌ってるの?」と僕。
「MISIAだよ。」
「え?メシア?」
「ミーシャ。」
「救世主?」
「み~しゃ!」
「世紀末救世主伝説、あ~たたたたたたたたた、あた~!
北斗百烈拳、お前はもう死んでいる。お~ユリア~!!!」
「.......。」
は!いかんいかん、せっかくのムードが台無しになってしまう。
この曲は今聴いても胸がキュンとなる。思い出の曲のひとつ。
しかもドラムがめちゃかっこいい。


やがて空港に着いた。
「ありがとう。ここでいいよ。元気で。」
「スパ君....」
「ユーちゃん...。」
やはり別れというのは辛いものである。
彼女の車が走り出した。
僕はそんな彼女に、こん身の力を込めてピースマークを送ったんだ。
車が小さくなっていく。
あの日と同じだ。
そして次の瞬間、ブレーキランプが点いて車が停まった。
「あっ」
彼女は少しためらったがまた走り出した。


「そう、それでいいんだ。さよなら、ユーちゃん。」
~蛍~!いつでも富良野に戻って来いよ~!!!!!!~


これがその年の僕とユーちゃんの、一生想い出に残る出来事だ。


~完~


~出演~


スパイラル・・・・・スパイラル智哉
ユリア・・・・・・・ユリア(仮名)
同僚A・・・・・・・知らない人
同僚B・・・・・・・たぶん知らない人
同僚C・・・・・・・おそらく知らない人
同僚D・・・・・・・ぜんぜん知らない人
女の子A・・・・・・スパ様のチャンネー2号
女の子B・・・・・・スパ様のチャンネー3号
女の子C・・・・・・スパ様のチャンネー4号
コンビニ店員・・・・忘れた
バスの運転手・・・・古尾谷さんに似てない人
女子中学生・・・・・怜ちゃんに似てない人
一緒に走った子供達・
旭川なかよし児童合唱団のみなさん


ラーメン屋の従業員・
その辺のババア ※友情出演


~脚本~・・・・・・・スパイラル智哉
~演出~・・・・・・・スパイラル智哉
~監督~・・・・・・・スパイラル智哉


北の国から20××~約束~ 完